ハマのバンディエラ・佐藤謙介と88世代

こんにちは!横浜在住のフリーランスコピーライター中本です。

今回のブログでは、僕の推しクラブ・横浜FCの再開3戦を見ての雑記です。


昨年J2・2位で自動昇格した横浜FCは、J1に置き換えれば一番下からのスタート。

当然、13年ぶりのJ1は厳しい戦いになることが予想されましたし、

それは辛くも1-1の同点で終われた開幕戦・神戸戦でも明らかでした。


ただ、このコロナの影響による延期を経て、再開された3戦の戦績は、

札幌1-2●、柏3-1○、仙台1-1引き分けの勝ち点4。

予想に反してまずまずの結果と言える、そして多くのファンの方々が

横浜FCはやれるぞ、戦えるぞという期待感やワクワクに襲われたのではないでしょうか。


新システム3-5-2は、タバレスハイブリッド!?

要因は、写真にもあるように3-5-2の新システムと

スタメンの顔ぶれにあると言えるでしょう。

この3試合、スタメンは3試合目に田代が欠場して袴田が先発した以外は固定。

GK六反、3バックは田代を真ん中、左右に小林と星キョーワン、

中盤は3ボランチ気味にアンカーに謙介、前目の左右に瀬古樹と松浦、

ウイングバックにマギーニョと志知、2トップに一美と斉藤光毅。

きっと誰もがいい意味で、裏切られたことでしょう。


下平監督は再開後について「大胆な起用をする」と言ってましたが、ここまでとは笑。

前回のブログで、4-5-1が主軸になっていくと書きながら、

スタメン予想をしていたのが恥ずかしいです。。


ボールを大事にするサッカー=つなぎを主体としてポゼッションサッカーは、

下平監督がメディア取材でも盛んに話しており、

昨年の監督就任以来のチームコンセプトでもありました。

J開幕戦の神戸戦で、J2で築いたものがどこまで通用するのかと思いながら見ていましたが、

終始相手にボールを握られ、支配率も66%対34%という結果でした。

繰り返しになりますが、「これは厳しくなるぞ」と多くの人が思ったはず。


ただ、中断期間を経て、札幌、柏、仙台を相手にした再開3戦、

ボール保持率は58%、52%、60%と、いずれも相手を上回っているのです。

試合を見ていても、横浜FCが大半の時間帯でボールを保持し、

最終ラインから丁寧に繋ぐパスサッカーを立派に繰り広げていました。

本当に驚きでした。選手の距離感が絶妙に良く、

ピッチ上には三角形が幾重にも広がっていました、だから繋がるのでしょう。


3-5-2のトレスボランチシステムを見て、ふと思い出したのが、

前監督・タバレス時代の3-5-1-1でした。


この当時も佐藤謙介をアンカーに、右インサイドハーフに野村、

左インサードハーフに中里というのが基本だったように思います。

そしてトップ下にレアンドロ・ドミンゲス、ワントップにイバの布陣。

絶対的な2人はゴール・アシストという結果は残すのですが、守備に走らない、

攻撃時は自由に動くので、攻守で横浜FCが組織的な動きをすること難しく、

2人のカバーにトレスボランチが奔走することになってしまいました。

後半に疲れ果てたインサイドハーフを齋藤功佑や瀬沼に交代するのはデフォルトで、

謙介なんかはフル出場するものの肩をゼエゼエ切らせながら走っていた覚えがあります。


ただ、攻撃時はレアンドロとイバに、野村、謙介あたりが絡んでいくと

非常に魅力的で素晴らしくかったのですが、

どうしても彼ら2人の好不調に結果が左右されてしまうという。。


下平監督の3-5-2は、まさにタバレスシステムのハイブリット型に思えました。

(当時下平監督はヘッドコーチでした。)

走れないレアンドロとイバがいることで発生する問題を、

若くて走れる一美と斉藤光毅を起用することで解決。

守備も攻撃もチーム全体でシステムマッチに動けるチームへと変貌し、

先述のように、選手1人1人が非常にいい距離感で、パスを繋ぐことができ、

ボール保持率でも相手を上回るサッカーを繰り広げてくれています。

この3戦、結果いかんにかかわらず、見ていてとても楽しかったです。


ハマのバンディエラ、10年目のJ1デビューと88世代の活躍

まさに新生横浜FC。その象徴として、若き2トップ・一美と斉藤光毅が注目されていますが、

僕が注目せざるを得なかったのは、やはりハマのバンディエラこと、佐藤謙介です。

そして、彼と同学年の88年世代の田代・松浦・武田英二郎の3人でした。


佐藤謙介は、ユース・大学年代では天才ともてはやされながら、

プロ10年目にして初のJ1。

開幕戦やルヴァンカップではベンチ入りしたものの、出場機会はなく。。

中断明けの試合でスタメンだった時は、まじで感動しました。

そして、この3-5-2の新システムにおいて、アンカーを担い、

攻守のバランサー、長短のパスを織り交ぜた繋ぎのリード役として、

彼以上の選手は考えられないということをまざまざと感じさせてくれました。

3試合共にこれくらいはできると思いましたし、

もっとやれるだろうと期待させてくれるプレーぶりでした。


3バックのセンターを担った田代、そしてインサイドハーフで復活した松浦も

素晴らしいプレーぶりでした。特にインサイドハーフの攻守におけるポジショニング

=どれだけ顔を出せるかは、このシステムの肝であり、その点で松浦、

さらにルーキー瀬古の気を使ったプレーぶりというか、

フットボールインテリジェンスは相当高いなと感じました。

(武田もまだあまり出場機会はないけど、

過密日程の中、きっと彼が必要とされる時が来るでしょう。)


チームの中核、心臓部に88世代の彼らがいることで、チーム全体に安心感を与え、

若手がイキイキとプレーできる、そんなことをこの3試合で強く感じました。

明日の次戦は川崎、次にはマリノス、浦和という超J1級との試合が続きます。

これまで同様に自分たちのサッカーを見せ、きちんと繋ぎ、ポゼッションで

優位に立つことができるのが、まさに真価が試される時が来るでしょう。

本当に楽しみで仕方がないです。


名ボランチ、バンディエラの系譜を辿りまくれ!

主観を思っ切りこめて、今シーズンの横浜FCの出来は、

斉藤光毅でもなく、一美でもなく、佐藤謙介にかかっていると断言したいと思います。


今シーズン、彼のインスタを見て、ふと気づいたのです。

スパイクが、ミズノのモレリアになっていると。

それまで彼はヒュンメルを長らく履き、ここ数年はアスレタだったと思います。

ミズノのモレリアといえば、中村憲剛、そして古くは山口素弘も履いていました。

共に日本が誇る名ボランチであり、前者はフロンターレのバンディエラ、

そして後者は横浜フリューゲルスのバンディエラであり、フリエの系譜を汲む選手です。

遂に佐藤謙介が〜と思うと、非常に感慨深いものがあります。


佐藤謙介よ、先人たちに追いつけ、そして追い越してくれ!

横浜FCを勝利に導いてくれ!

コピーライター(フリーランス)・中本タカシ/横浜・東京/コトバミッケ

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